北海道

 札幌(さっぽろ)/札幌市中央区
 サッポロファクトリー(さっぽろふぁくとりー)
/札幌市中央区北2東4
 サッポロファクトリー
 ●開拓史時代の雰囲気
 恵庭市に移転したサッポロビール北海道工場の跡地を利用した大型複合施設。いくつものレンガ施設を利用しています。写真は3条館。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 地下鉄バスセンター前駅から徒歩6分
 二条市場(にじょういちば)
/札幌市中央区南3東1
 二条市場
   けやき
 ▲カニ汁(350円/永森商店)  ▲味噌ラーメン(850円/けやき)
 ●観光客に人気の市場…
 明治36年に魚の小売商から始まったという歴史ある市場。北国の魚介類が豊富なせいか観光客に人気がありましたが,近年の凋落ぶりは寂しい。ところが外国人観光客の増加が救いになっているそうです。
 感動度★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 地下鉄大通駅から徒歩8分
 札幌中央卸売場外市場(じょうがいしじょう)
/札幌市中央区北11西21
 札幌中央卸売場外市場
   つみれ鍋
▲チキンスープカレー(950円/曼荼羅)  ▲つみれ鍋(800円/荒波商店・札幌駅
 ●人気沸騰の海鮮市場
 近年,市民にも観光客にも人気が出てきました。現在71軒の店舗がギッシリと軒を連ねています。カフェや寿司屋,レストランもあります。
 感動度★★
 もう一度いきたい度★★★
 交通 地下鉄二十四軒駅から徒歩10分
 苗穂(なえほ)/札幌市中央区北7条東12
 サッポロビール博物館
   ニシンの刺身
 ▲アイスクリーム黒ビール入り(300円/サッポロビール博物館)  ▲ニシンの刺身(700円/甚平・札幌駅)
 ●「北海道遺産」に指定
 明治時代から産業の町として知られ,今でも工場地帯でもあります。いまJR北海道技術館,サッポロビール博物館,雪印乳業資料館などがあり,これらは工場群と共に「北海道遺産」に指定されています。
 感動度★★
 もう一度いきたい度★★★
 交通 JR函館本線苗穂駅から徒歩15分
 屯田(とんでん)/札幌市北区屯田
 屯田防風林
 屯田兵中隊本部(JR新琴似駅)  屯田兵村兵屋跡(地下鉄琴似駅)
▲新琴似屯田兵中隊本部/市文化財 ▲琴似屯田兵村兵屋跡/国文化財
 ●かろうじて残る屯田防風林
 屯田兵制度は,北海道の警備と開拓,失業した士族に仕事を与えるために1874年(明治7年)定められました。翌年,全道に先駆けて琴似に仙台・亘理藩,会津藩の士族約200戸が入植。その後明治32年までに37か村(約7000戸),約4万人が開拓の先兵となりました。
 いま屯田兵村の面影を探すのは困難ですが,大正時代に厳しい季節風から農作物を守るために植えられた防風林が約8kmに渡って残っています。
 感動度★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 防風林はJR札沼線新琴似駅から徒歩12分
 小樽(おたる)/小樽市
 倉庫街
 北のウオール街  小樽・日銀通り
▲小樽は近代建築の宝庫です  ▲旧北海道銀行本店・明治45年築 
 ●雨の小樽も風情があり、近代建築の宝庫です
 札幌に来ても宿泊は小樽にしました。寿し屋通りが、まだ狭く形になっていなかったころからです。小樽といっても、明治、大正の近代的な建物が中心です。また運河沿いの煉瓦造りの倉庫群もメインです。 
 感動度★★★
 もう一度行きたい度★★★★
 交通 JR函館本線小樽駅から徒歩15分〜20分
 南小樽(みなみおたる)/小樽市住吉町
 南小樽駅前
   
 ▲明治年間に開業した小樽湯。内部はレトロ風で懐かしい
 ●かつて小樽の中心地
 かつての小樽の中心地です。港も近く,物資の輸出入の拠点でした。石造りの商家や倉庫など昔の姿を見ることができます。また戦前は花町も近く,たいへん賑わいました。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 JR函館本線南小樽駅から徒歩3分
 堺町(さかいまち)/小樽市堺町
 堺町本通り
 堺町本通り  堺町本通り
▲アジア系観光客が殺到中  ▲旧久保商店(右)・明治40年築 
 ●石造りの建物が集中
 近年,堺町本通りとして急速に整備された町並みです。大正から戦後にかけて,豆の問屋や選別所など約30軒で問屋街を形成していました。また旧国道でもあったせいか,利便性が高いので石造りの倉庫街も多かったそうです。これら倉庫を利用して,北一硝子3号館をはじめ,各種ショップ,レストラン,カフェが集中し,小樽最大の観光名所になっています。
 約1kmの道を歩くと,石造りの建物など歴史的建造物が多く見られます。
 感動度★★
 もう一度いきたい度★★★
 交通 JR函館本線小樽駅から徒歩15分
 色内(いろない)/小樽市色内
 日本郵船小樽支店(重文)
 喫茶・北運河  日通倉庫群
 ▲喫茶北運河/こんな建築も素敵  ▲石造りの倉庫も残っています
 小樽市錦町  小樽市錦町
▲雪国独特の棟割り長屋   ▲どことなく遊里の面影も…
 ●北海道鉄道発祥の地
 江戸時代からの開発された港で,小樽港で最初に埠頭が造られたところです。1880年(明治13年)に幌内炭坑の石炭を道外に搬出するために,鉄道が敷設されました。この鉄道が北海道発の鉄道で,手宮は発祥の地とされています。北海道鉄道記念館を改築して,1996年に小樽交通記念館としてスタートしています。
小樽運河発祥の地
 鉄道に施設以外に力を入れたのが港湾の整備です。1914年(大正3年)から1923年(大正12年)にかけて,陸地の前にあった島形及び半島型の埋め立てを行いました。同時に陸地を埋め立て地の間に水路を造り「運河式埋め立て」によって造られた港湾施設が,北運河(後の小樽運河)となりました。
 当時は木骨石造倉庫が立ち並び,運河には艀(はしけ)が盛んに往来していたのです。その後,艀の時代は終わり,運河の役割が低下したため,「開発は保存」かの一大論争となり,開発を選んだのです。わずかに建設当時の運河が残っていますが,多くの倉庫は壊されてしまったのです。
 手宮,色内や錦町を歩いていますと,かつての遊里の雰囲気がどことなく感じられます。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★★
 交通 小樽駅からバスで手宮下車徒歩5分
 高島(たかしま)/小樽市高島
 高島・ニシン小屋
 高島漁港  カキの玉子とじ丼
 ▲高島漁港−ニシンが上がる  ▲カキの玉子とじ丼(840円/やす田)
 ●小さなニシン小屋が並ぶ
 江戸時代に運上屋(うんじょうや)や場所(漁場)が置かれ,ニシン漁で繁栄しました。漁は大正時代まで続きましたが,もちろん今でもニシン漁は行われていますが,漁獲高はわずかです。
 たまたまこの日はニシンが上がり,女たちが軽トラックで網ごとニシンを小屋に運んでいました。バラックのような小屋のなかには,老人がストーブをガンガンたき,待っており,総出で網に絡んだニシンを取り出し,箱に詰めます。そしてすぐに冷凍にするのです。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★★
 交通 小樽駅からバスで高島3丁目下車,徒歩3分
 梅ケ枝(うめがえ)/小樽市梅ヶ枝町
 
   
▲マンサード屋根の古民家も点在   ▲しゃこ天そば(1100円/十間坂)
 ●かつては華やかな花町
 坂道を下りながら,北国らしい古民家が少し残っています。前夜に降ったドカ雪はすごい。
 戦前は華やかな花町として知られていました。多くの女性たちが就労していたそうです。いまは全くの面影はないし,それらしき建物も見あたりません。
 感動度★
 もう一度いきたい度★
 交通 中央バス梅ヶ枝町バス停からすぐ

 祝津(しゅくつ)/小樽市祝津
 祝津
 ●ニシン漁関連建築が45棟
 祝津は小樽のなかでも比較的地味なところです。小樽水族館のあるところとして知られています。もう一つニシン御殿があるように,祝津はニシン漁で栄えた漁港でもあります。そのため,ニシン漁に関する建造物がたくさん残っているのです。
 北海道職業能力開発大学校の駒木定正助教授による2008年の調査では,祝津地区には45棟の関連建築が残されており「木造33棟,木骨石造11棟,石造1棟,土蔵造1棟」が内訳です。ただ建築年の判明しているのは15棟のみとか。
 感動度★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 クルマは大きな駐車場に停めました
 江別(えべつ)/江別市二条一丁目
 江別
   石造り倉庫群
▲板壁の古民家も見られます   ▲石狩川沿いにある石造り倉庫群
 ●駅周辺に石造り倉庫群
 江別は元々レンガの生産の盛んなところで,至る所でレンガを生かした建築物が見られます。特に駅前周辺多く見られ,石狩川の水運と鉄道輸送がつながるのです。でも江別は寂しい町でした。
 感動度★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 車は道端に停めました
 余市(よいち)/余市町黒川町
余市
  ●ニッカ工場が目に付く町
 余市にきたのは2度目です。1度目はニッカウヰスキー工場内でモデル撮影会を行なったときでした。広報担当者は「異国情緒があるせいか、いろいろなCMの舞台に使われています」といわれました。景観の一部を切り取れば、北欧のような感じになるからでしょうか。
 煉瓦造りの工場や建物が目を引きますが、その周辺には、港町独特の二重ドアで木造平屋建ての町家がそこかしこに残っています。周辺もおもしろいです。それよりなによりNHK朝ドラ『マッサン』の舞台になったことで、多くの人たちがやってきました。
 感動度★★
 もう一度行きたい度★★
 交通 JR函館本線余市駅から徒歩5分
 栗山(くりやま)/栗山町錦
 小林酒造倉庫群
 ●レンガ造りの酒蔵群
 空知地方では最大の歴史的建造物群といわれています。『北の錦』を出す小林酒造の酒蔵です。これらの倉庫群は,国の登録文化財でもあります。
 明治11年,札幌で創業,明治34年に夕張川に着目して,この地に移りました。そして炭坑労働者にも人気の酒となったのです。倉庫の一つは記念館になっており,珍しい酒器などが展示されています。さらに「木の温もり酒道具の館」,「大正・昭和の暮らし展示室」などもあり,往時の雰囲気が伝わってきます。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★★
 交通 クルマは小林酒造の無料駐車場に停めました
 美唄(びばい)/美唄市南美唄町下
 旧三井美唄炭坑住宅地
 美唄  南美唄地区共同浴場
▲炭住は炭鉱の生き証人です   ▲居住者のための銭湯です
 ●旧三井美唄炭坑の社宅
 南美唄町下地区は炭住(たんじゅう)がたくさんあります。炭住というのは炭坑に勤務する職員たちの住宅のことで,いわゆる社宅のこと。南美唄地区は三井美唄炭坑が管理していました。敷地内のほとんどが未舗装なのは,民有地だからです。
 炭住は,木造の長屋で2世帯,3世帯が入居しています。全国的にもこれだけの炭住が残っているのは,ほかに東明町地区の旧三菱美唄炭坑住宅だけです。一部でも文化財として保存してほしい。
炭住を保存できないか
 美唄市の担当者は「壁や屋根,玄関,窓などほとんどが改造されているので,文化財として保存はできない」といわれました。ならば空き屋を活用して歴史を解説するのも手かもしれませんね。 
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 車は道端に停めました
 留萌(るもい)/留萌市明元町
 留萌港の石造り倉庫群
   北の醤油ラーメン
▲もちろん普通の倉庫もあります   ▲北の醤油ラーメン580円/砂川SA
 ●留萌港の石造り倉庫群
 函館や小樽では,倉庫群が観光用として再生されていますが,留萌では倉庫として現役です。昭和初期に建てられたもので,近くには留萌本線の引き込み線もあります。
 感動度★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 車は道端に停めました
 増毛(ましけ)/増毛町弁天町
 丸一本間家(重文)
 駅前の風待食堂と旧旅館富田屋  国稀酒造
▲風待食堂/昭和8年築  ▲国稀酒造 /明治35年創業
 ●「北海道遺産」に指定
 増毛は20年ぶり2度目の訪問です。道路といい,建物といいずいぶんきれいになったなあ,という感じがしました。
 明治時代の鉄道が開通以降,本格的に栄えた町です。石造りの商家が今でも残っており,こんな北国にこれだけの歴史的建造物が残っているのが驚きです。ちなみにいちばん上の写真は、本間家旧呉服店店舗です。
 町はニシン漁で栄え,鉄道が開通する前は,海運が中心でした。江戸の末期,秋田藩は本陣まで構えたくらい,町は発展したのです。北海道遺産に指定されています。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★★
 交通 クルマは無料駐車場に停めました
 函館(はこだて)/函館市元町
 函館-1
 重要文化財  函館市臨海研究所
 ▲国の重要文化財・太刀川住宅店舗(弥生町)  ▲歴史的景観形成指定の函館市臨海研究所(弥生町)
 ●函館の重心は西へ
 北海道のなかでも好きな町の一つです。そのせいか何回も行きました。松風町や十字街周辺は,ここ10数年で寂れてしまいました。結局観光客だけの町になってしまい,住民が離れていったのでしょう。函館の重心は,西へ西へと移動しつつあります。一時は,市電の五稜郭駅前が繁華街でした。今でもデパートや飲食店が集中していますが,それも閉店が続きます。
函館は厚みのある町
 初めて函館に行ったのは,雑誌の取材で30年ほど前でした。それから時々訪ねていましたが,飽きない町です。札幌にもよく行きますが,札幌はただ大きいだけで全体として薄っぺらい感じがします。
レンガ造りは大火後
 レンガ倉庫街は明治40年の大火以後に建てられました。どこの町でもそうですが,大火を経験すると,土蔵造りやレンガ造りに変わるようです。
中古カメラコーナー
 この金森倉庫群の一画に,中古カメラを展示したコーナーがあります。かつて,オリンパスの役員だったかたが,退職して金森倉庫に移られたときに設けられたそうです。今は見る人も少ないようですが,珍しいカメラが展示されています。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★★★
 交通 市電十字街下車徒歩5分
 宝来町(ほうらいちょう)/函館市宝来町
 宝来町
   
▲阿佐利本店/昭和初期の木造建築  ▲盛り合わせランチ(900円/小いけ)
 ●蔵造りや洋館が並ぶ
 かつてはハイカラな町でした。蔵造りの商家や洋館風の企業なども多く,かなりの賑わいでした。また裏手は,むかし花町でもあって,建物にいまでも面影を見ることができます。いまは人の少ない寂しい町並です。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★★
 交通 市電宝来町駅から徒歩2分
 入舟(いりふね)/函館市入舟町
 函館漁港
 函館漁港  
▲目前にイカ釣り船が停泊  ▲イカそうめん・680円/函館あかちょうちん
日中は静かな函館漁港
 函館漁港です。ガイドブックからは完全に無視された地域です。しかしここはまぎれもなくイカ釣り漁船が並ぶ港町です。入舟へは3度目の訪問です。
 プ〜ンと潮のにおいがする,漁師町独特の雰囲気のある町並みです。木造2階屋が多いですが,最近ではモルタル塗りが目立ってきました。玄関先には花の鉢植えが並ぶ下町でもあります。
 路面電車の函館どっく前から徒歩10分程度のところです。アマチュアカメラマンが,時おり訪ねてきます。
新鮮なイカそうめん
 函館の名物はいろいろありますが,やはりイカそうめんがいちばん。市内どこのレストラン,居酒屋にもあります。細く切ったイカを,どんぶりに入った氷の上に敷くのです。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 車は道端に停めました
 寺町(てらまち)/松前町福山
 寺町
 城下通り  松前ラーメン
 ▲昔風に再現した城下通り  ▲松前ラーメン(800円/浦里)
 ●「北の小京都」
 松前城(正式には福山城)の北側に江戸時代を感じさせる寺町があります。かつては15カ寺もありました。いずれも大館から移築されたのですが,明治維新の戦乱で,松前藩自らが火を放ち,ほとんどが焼失しました。
 現在は5カ寺を残すのみとなりましたが,北海道で寺町を名乗るところはココだけです。ひっそりとたたずむ古刹を巡り歩いていると,「北の小京都」,「北海道の鎌倉」にふさわしい感じがします。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★★
 交通 クルマは城周辺の無料駐車場に停めました
 上ノ国(かみのくに)/上ノ国町上ノ国
 旧笹浪家住宅
 ●北海道で最古の住宅
 上ノ国町は,北海道では珍しく史跡が多く,歴史の香りがする町でもあります。国指定の重文・上國寺本堂は北海道で現存する仏堂建築では最古(1757年)といわれています。さらに北海道で最古(19世紀前半)の民家で網元の旧笹浪家住宅もあります。いずれも国道228号線沿いです。この国道228号線を地元では,にしん街道と呼んでいます。かつてはニシン漁の網元の民家がたくさん残っていたようですが,いまは1軒です。
 感動度★
 もう一度いきたい度★
 交通 クルマは空き地に停めました
 江差(えさし)/江差町字姥神町
 旧中村家住宅(手前)
 ●2軒の重要文化財
 3度目の訪問です。いにしえ通りも拡幅され,とてもきれいになっています。でもあまりにも広すぎて,しらけてしまいます。古い町並みに広い道路は似合わないのです。
 北前船での交易で発展した町です。とくにニシン漁が盛んで,いまでも旧横山家住宅,旧中村家住宅はニシン御殿といわれ,国の重文に指定されています。また江差町や北海道指定の文化財もたくさんあります。もう一つ,民謡江差追分の発祥の地でもあり,毎年全国大会が開催されています。
 感動度★★★
 もう一度いきたい度★★
 交通 クルマは無料駐車場に停めました