昨日・今日・明日F |
●2010年(平成22年) |
5月7日(金) |
●春風亭昇太さんの爆笑鼎談を聞きました 落語家・春風亭昇太さんの「話芸のエスプリ」を聞きに行きました。斎藤孝明大教授と読売新聞文化部記者との鼎談です。 落語は「目線と距離感」だといわれます。扇子で長い刀や短刀を表現したり,遠くの人へや近くの人への呼びかけも,すべて目線と距離感で決まるそうです。なるほどと思いました。 斎藤教授は,最近の人は「雑談力」が落ちていると言われます。エレベータ内で2人きりになったとき,どのような話をするのか,気まずい思いをするか,積極的に話しかけるのかなどの例を引きあいに出しながら話されました。 「コミュニケーションのツール」として昇太さんは,「ご兄弟は何人ですか」,「どちらのご出身ですか」などで切り出す。さらに自分自身が「ほどよく不幸」なのが,相手にいい感情を与えると笑わせるのです。一方の斎藤教授は自分の弱みを少し見せて相談すると,コミュニケーションをとりやすいといいます。全体を通して,テーマとは別に昇太さんのプロ意識を改めて見せつけられた,という思いがしました。 |
5月4日(火) |
●万博が終わったら上海へ行こうと思う とうとうと言うべきか上海万博が始まりました。テレビでは混乱ぶりなどを報じています。これもしばらくすると落ち着くのではないかというレポーターもいますが,並んでいても割り込みは当たり前という国民です。また声の大きい人が勝つという国民,欲しい物は力づくでも奪おうという国民です。それだけに最後まで「ケンカ」騒ぎが続くと思います。 ところで上海万博は,全く行こうとは思いません。いまさら万博で何を見るのでしょうか。愛知万博も行きませんでした。混雑しながら見学しても身につかない感じがします。それと上海市内のホテル代の異常な高騰ぶりを聞きますと,うんざりします。今年の初め,上海に行きました。超一流ホテルも大幅に値下げしていましたが,その分一挙に利益を取り返そうとしているのでしょう。上海万博が終わったら上海に行こうかと思います。 |
5月2日(日) | |
●重要文化財の龍馬の貴重な手紙 『龍馬伝』(江戸東京博物館)の展覧会に行ってきました。とにかくたいへんな人出で,特にオリジナルガラス板写真が3日間特別限定公開されたときは,待ち時間ができるほどだったとか。やはりNHK大河ドラマの人気と福山雅治人気はスゴイ,のひと言です。 龍馬の手紙は139通が確認されていますが,そのほとんど展示され,釈文も添えてあるのでわかりやすいものでした。龍馬の手紙は,@全く気取らない口語体で書いている。A相手によって書き分けている。乙女姉ちゃんには,ひらがな主体で書いています。しかし妻のお龍さんに書いた膨大な手紙は,お龍自身が焼き捨てているのがおもしろい。しかしたった1点,龍馬が送った帯留めだけが残されており,これは展示されています。 また龍馬が使ったまっすぐな刀,血染めの屏風(重文)などもあります。でもおもしろかったのは,薩長同盟の締結書で,龍馬が朱色で裏書きしているのですが,これが「他の博物館にかっさわれた」(市川学芸員談)と悔しがっていたことです。会場では複製が展示されています。 |
4月25日(日) |
●食材が豊富だった江戸の町 最近,江戸時代の食べ物,特に野菜系に興味があります。というのは,ドラマやバラエティなどの八百屋の店頭にキャベツが置いてあったりして,ちょっと気になりだしたからです。 もちろん江戸時代にキャベツはありません。ある時代考証家が,ドラマの演出担当者から,「どうしてもキャベツを並べたい,店頭に盛り上がり感がないからだ」という相談を受けて大げんかしたという話を聞きました。キャベツはありませんが白菜はあったようです。ただし葉が広がった状態で,いまの白菜のように,芯がしっかりしていない白菜だったようです。 ほかにシイタケ,小松菜,茄子,キュウリ,枝豆などもあり,ちょっと地味な感じでしたが,江戸時代は豊富に野菜があったようで,ダイコンでも亀戸産,練馬産などがあり,近郊近在から半日がかりで,かなりの量の野菜が入ってきたようです。サツマイモは『いも百珍』にあるようにレシピも出版されるなど,一般的な食べ物でした。 写真は,深川江戸資料館(台東区/現在休館中)での展示品です。 |
4月20日(火) |
●昔,世論を賛否両論の渦に巻込む 石原裕次郎のデビュー作ですが,端役です。主演は長門裕之とその後夫人となる故南田洋子です。いまさら内容を説明はしませんが,始めて見ただけにとても新鮮でした。高校生が酒,タバコ,女,バクチ,妊娠,ケンカなど破天荒な生き方に,当時の世論(1956年)が賛否両論に割れて大騒ぎなったのも当然か。 太陽族という若者たちを生みましたが,最先端の風俗であったわけです。しかし最後のシーンでヒロインの遺影が厳しい顔つきなのは「太陽族をにらみつけている」感じがしました。ところでこの映画には,まだ覚醒剤が登場しません。 |
4月19日(月) |
●法政大学社会学部と読売新聞立川支局の共催で連続市民講座 多摩校舎で一番大きな750人収容の教室が補助イスを出し,立ち見までるという超満員になりました。さすがにマスメディアの力は強い,と感心させられました。全体のテーマは「絆と縁〈つながり〉を求めて 言葉・地域・地球・自然」(全10回)です。 第1回目はいつも和服姿で凜とした田中優子教授の「集団でも個でもないつながりの可能性/古くて新しいつながり」がテーマです。田中教授は,江戸時代から伝わる俳諧連句の座を引き合いに出しながら,座の付き合いは「付きすぎない,離れすぎない」を底流にしながらの歌であるという。そこが昔から日本人の持っている他人に対する独特の距離感でもある,と言われます。 ●日本人の「聞かなかった」するゆるやかなプライバシー 印象に残っているのは,日本の家屋にふすまや障子がありますが,プライバシーはなく,音や声は筒抜けです。しかしほとんど日本人は「聞かなかった」ことにします。このことを田中教授は「申し合わせのプライバシー」と名付けられました。また,のれん,屏風,上がりかまち,縁側,ついたてなどが入口付近に何段階にわたって障壁が存在します。これらは神社のしめ縄と同じで,「神聖な結界」と言われます。これらもゆるやかなプライバシーではないでしょうか。 考えてみれば小料理屋の座敷にある,小さなついたてもしめ縄と同じ役割を果たしているのか,と考えるとおもしろい講演会でした。 |
4月18日(日) |
●人気抜群,広島ホルモンバーグ 注文しても1ヶ月待ちというのが広島のホルモンバーグです。このほどやっと手に入れ,実際に作ってみました。ホルモン,ミノ,ミンチが入っており,歯ごたえにちょっとコリコリ感があります。しかも肉汁たっぷりでジューシーなのです。またタマゴ,ニラ,ニンニク,ショウガなどの調味料も入っていて味も抜群。 作り方は簡単で,化粧箱の側面に明記してある通りに行えば問題なし。価格は3個入りで1680円。もちろん冷凍食品です。「J-CASTニュースショップ」で取り寄せられます。 |
4月17日(土) |
●真壁がやっと伝建地区に選定 地元の人たち永年の願いがかないました。茨城県桜川市真壁町が重要伝統的建造物群保存地区に選定されたのです。真壁地区だけでも登録文化財の数が約80近くもあるのです。ちょっと歩くだけでも,蔵にぶつかります。 |
4月16日(金) | |
●重要文化財の銅(あかがね)御殿をやっと見学できました 文京区小石川(東京都)にある銅御殿の見学がやっとできました。木造3階建ての本宅と大門の2カ所が重文に指定されています。 千葉県の山林王磯野氏が,21歳という若造の大工に設計から工事まで任せたのです。腕の良さを見込んだ結果だそうです。 材木は全国各地から屋久杉など銘木を集めたとか。例えば木曽の檜は,山を丸ごと買い取って,その中から良い木材だけを使用といいます。木造3階建てで,屋根や外壁は銅板葺きにしたのは,防火のためです。関東大震災,東京空襲をも逃れ,びくともしなかったのに,隣接に高層マンションの建設時の振動で壁にひび割れができだしたそうです。現在,訴訟に踏み切るかどうか検討しているそうです。 |
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▲独特の建築法・大門(おおもん) | ▲木造3階建て,銅板葺きの銅御殿 |
4月12日(月) |
●東京の顔になるか!? 浅草の隅田公園に行ってきました。花見客でいっぱいでしたが,隅田川の向こうに,東京スカイツリーが見えました。これは浅草寺からも見えます。こうして考えて見ますと,東京を代表する名所として,東京スカイツリーが加わることはまちがいないでしょう。 |
4月11日(日) |
●実践殺陣講座は傑作講座 時代劇にはチャンバラが付きものです。いわゆる殺陣といい,殺陣師がいるのですが,その実践殺陣講座を見ることができました。殺陣師の菊池竜志さんの軽妙な解説と悪役専門の俳優・山本昌平さんの話は楽しいものでした。 菊池さんは殺陣道というものを作り,日本殺陣道協会を創設しました。会員の7割が女性というから驚き。また会場からの体験希望者を募ると,女性が圧倒的に多いのです。菊池さんは「35の組み手を覚えると,立ち回りがしやすくなります」という。 最後に往年の時代劇映画の名場面を菊池剣友会の皆さんが演じられましたが,@堀部安兵衛の決闘高田馬場,A月形半平太のほろ酔い剣法,B早乙女主水之介の旗本退屈男の3本。懐かしいというより,なにやら亡霊を見ているような気分でした。 |
4月10日(土) |
●懐かしいドラマの台本が一同に展示 脚本はドラマだけではなく,バラエティーや音楽番組にも存在するのです。そのような脚本を一同に集めた展覧会を見てきました。名作と言われた『私は貝になりたい』はガリバン刷りでした。また厚さ5cmの脚本もありました。 向田邦子や山田太一,橋田壽賀子といった作家に続く人たちがどんどん輩出しており,放送作家という職業が注目されているのも事実です。 今回,散逸しがちな脚本を集めている日本脚本アーカイブスが主催したのですが,「家庭に脚本が眠っているのなら,ぜひ送ってほしい」と呼びかけています。ただ一般家庭に脚本が存在することはなく,放送局や映画会社に向けてどんどん働きかけてほしい。 |
4月3日(土) |
●頭上にタワーをのせた「おしなりくん」 東京スカイツリータワーが注目されるにつれ,地元だけで騒いでいるのが「おしなりくん」というイメージキャラクターです。認知度は地元以外ではゼロですが,なんとか頑張っているのです。 東京スカイツリータワーのある押上・業平地区(おしあげ・なりひら)の活性化をはかろうと考案したのがおしなりくん。頭上にタワーの模型をのせています。かつての通天閣の歌姫・オーロラ輝子を思い出しました。オーロラ輝子はピカピカと輝く通天閣を頭にのせて,通天閣歌謡劇場の舞台に立っていたのです。ふと思い出しました。 |
4月2日(金) |
●花見のシーズンがやってきた 昼間,上野公園に行ってきました。もうすごい混雑ぶりでした。動物園や博物館なども多く,外国人観光客は珍しそうに眺めています。今週末あたりが見どころだそうですが,サクラを見ると酒を飲みたくなる気持ちはよくわかります。 でも同じ都内の公園でも満開時期が微妙に違うのが不思議です。川沿いの隅田公園は,上野公園より1〜2日遅れるのです。やはり寒いからか。 |
3月31日(水) |
●尾上部屋の新部屋が5月に完成 今日,大相撲尾上部屋の把瑠都(バルト)が大関に昇進しました。大田区に始めて誕生した相撲部屋だけに近くの池上商店街はたいへんな賑わい。 今まで仮の部屋住まい(倉庫)だったのが,いよいよ新築の部屋(写真)が5月に完成します。仮部屋の裏手で,池上駅にやや近く(徒歩8分くらい?)なります。全部合わせても力士は10人ですが,お相撲さんが町を歩いているだけで,なんとなくなごみます。いいものです。 |
3月30日(火) |
●ついに明治・大正時代まできました 江戸時代に続き,明治・大正時代です。日清,日露戦争,明治憲法,自由民権運動,関東大震災など,小学校6年生で習うべきことが展示されています。また板垣退助,西郷隆盛,伊藤博文,明治天皇なども教科書に出てきたな,と言う人物や出来事が簡潔に,しかも大きな字で解説しています。 さて,この次は昭和と言うことですが,かなりきわどいことが江戸東京博物館で展示できるのでしょうか。教科書も逃げているので,昭和は期待できないかも知れません。あの歴博でも,沖縄での戦争表記で後退した記述で,大騒ぎしたのでしょうから。 |
3月29日(月) | |
●東京タワーの高さを抜きます 3回目の訪問です。それにしても見物客の多いこと。観光バスの途中下車(?)でしょうか,ぞろぞろと降りてきます。また自家用車での見物も多く,十間川沿いの狭い道路にはギッシリと駐車。 訪れたこの日の高さは328m。タワーの側面に高さをきちんと表示されていてわかりやすい。そして29日の今日,東京タワーの高さを抜くそうです。 高くなるにつれて,いろいろなところから見えるようになりました。浅草寺や錦糸町,JR総武線の車内からなど,楽しみが増えています。東京新百景に加えられるでしょうか。 |
3月27日(土) |
●懐かしの映画『80日間世界一周』見ました 1956年に公開された『80日間世界一周』です。アカデミー賞5部門を獲得した作品です。いま見れば,空前のスペクタクルアドベンチャー映画,という触れ込みもちょっとオーバーだと思いますが,当時としてはかなり驚かされたことでしょう。 日本でのロケもありましたが,登場人物がちょんまげ姿,女性はすべて芸者風に場内は爆笑でした。銀行強盗と刑事の追っかけごっこ,80日間でロンドンにもどらないと賭に負けるとか,なかなかおもしろい。俳優も超一流どころがズラリと並んでいるのですから,見あきません。映写機の音が館内に響かせながらの映画鑑賞というのもいいものです。 |
3月26日(金) |
●仏の社交界で浮き名を流した女流絵画展 とても個性的な絵の展覧会でした。「本能に生きた伝説の画家」と称されるようですが,実際にフランスの社交界で浮き名を流した女流画家だったようです。今回,約90点もの作品が展示されましたが,いずれもユニークな絵柄でした。 線がはっきりしており,色使いが明確で硬質。なにやらイラストのような感じさえします。官能的な絵だ,という人がいますが,逆に乾燥的で無機質な感じを受けました。つまりロボットのような描き方ではないかと思いました。 レンピッカの絵は個人所有が多く,これだけの数を集めるのが大変だったそうです。それだけに貴重な絵画展と言えます。 |
3月25日(木) |
●物流博物館って知ってますか? 「鉄道コンテナ輸送50年」という企画展のチラシを見て,早速行ってきました。コンテナ専用特急貨物「たから号」の運転開始から50年を迎えたということです。展示品は写真が中心で,ちょっとガッカリ感もあるのですが,戦前,戦後の鉄道コンテナの歴史がひと目でわかるのがうれしいです。 企画展以外の常設展もおもしろく,宅配便の歴史,江戸時代の物流についての解説など実に興味深いものばかりでした。東京には,たくさんの博物館や資料館がありますが,物流博物館も注目すべきです。 場所はJR品川駅から徒歩7分のところにあります。 |
3月24日(水) |
●東京にも最大級の旧石器時代の遺跡 東京にも旧石器時代の遺跡が,しかも最大級の遺跡があるのです。これは先日,東京都埋蔵文化センターで2009年度の遺跡発掘調の結果を発表されたのです。 府中市の武蔵国分寺跡遺跡です。約3万5000年〜1万5000年前で,遺物が6万6000点も出土しているのです。そのなかでも3万5000年〜3万年前の最も古い時期の石斧などが発見されています。もともと府中市自体が遺跡の上にある都市と言っても可能で,どこを掘っても遺物が出土します。 隣の調布市も旧石器時代の遺跡群の上にある都市といえます。昨年,飛田給北遺跡からも,縄文時代の遺跡を発掘していた時に偶然に発見。約6000点もの遺物が出土したのです。人骨でも出てくればいいのですが,こればっかりはうまくいかないものです。 |
3月23日(火) |
●成田−マカオ間の直行便がいよいよ開通します マカオへ行ったのは,今から30年ほど前です。もちろん香港経由でしたが,いよいよ成田からの直行便(マカオ航空)が3月28日から飛ぶことになりました。これでマカオには行きやすくなりました。マカオにも古い町並みはたくさんあります。ポルトガル風の洋館ですが,再度訪ねてみたいと思っています。 |
3月19日(土) |
●中村富十郎の味のある話に爆笑の渦 歌舞伎俳優で人間国宝の五代目中村富十郎の話を直接聞ける機会を得ました。この富十郎はなかなか味のある役者で,33歳年下の元女優と結婚し,富十郎70歳,74歳で子どもをもうけたときは歌舞伎界をも驚かせました。その長男・中村鹿之資,長女愛子も登場し,すでに舞台で親子共演しているくらいなので,なかなかしっかりしています。「これから何が起こるかわかりませんが,父のことよろしくお願いします」と長男が挨拶したときは,場内爆笑でした。 武智歌舞伎のことや「もう弁慶はできない」や,「俊ェはやりたくない」とか,歌舞伎の裏話,近い将来,聖徳太子を描いた『四天王寺の鷹』をフルオーケストラでマーラの交響曲第4番をバックに演じるなど,新しいことに挑戦しようとしています。80歳とは思えない意欲を見せてくれました。 |
3月15日(月) |
●池上梅園は伊東深水の自宅 少し季節外れですが,池上梅園(東京都大田区)に行ってきました。池上本門寺の裏の斜面を利用した梅園です。戦前は,日本画家の伊東深水氏の自宅兼アトリエで,戦後は築地の料亭経営者・小倉氏の別邸でした。梅は大田区の区花で,370本の紅梅,白梅が植えられています。ほかにツツジやボタンなど50種500本の樹木があります。 入園料が100円というのはうれしいです。訪れる人も少なく,のんびりと歩きました。園内には幾つかの庵がありますが,聴雨庵は政治家・藤山愛一郎氏茶室で,遺族が大田区に寄贈されました。急な石段を上りますと,小さな広場に出て,急に視界が開けます。建て込んだ民家やビルが乱雑に見えます。典型的な郊外の風景でしょうか。売店もなく,飲食禁止の梅園なので,1時間もいれば十分なところです。 |
3月9日(火) |
●いよいよ重要伝統的建造物群保存地区の発表!? そろそろこの時期になると,文化庁から重要伝統的建造物群保存地区の発表が行われます。いろいろな場所がうわさにのぼりますが,いちばんの問題点は地域住民の80%以上の賛成を得ることです。これはかなりのハードルの高さになります。同時に行政の協力の証として,各種条例の制定があります。いずれにせよ官民あげての協力体制の姿が,文化庁の調査員に見えなくてはいけないのです。 ただ,一部の重要伝統的建造物群保存地区に対してイエローカードが出ていて,「伝建地区を返上したら」というところも出てきたようです。 |
3月8日(月) |
●東京大空襲の行方不明者がいるのです 昭和20年(1945)3月10日,墨田区,江東区,台東区を中心とする下町地区にアメリカ軍のB29爆撃機325機が来襲して大規模な空襲を行ないました。この2時間あまりで10万人ともいえる尊い生命が奪われたのです。その後100回以上もの空襲が続きました。 今回の展覧会で,空襲後の写真,遺品を中心に防空ずきん,もんぺなど生活物資を中心に展示されています。 それにしても驚いたのは,戦後60年以上もたっているのに,いまだに東京空襲犠牲者名簿を作成中ということです。まだ行方不明者がいるのです。 |
3月7日(日) |
●国内外のクリエイターやオタク論者集合 クール・ジャパンという言葉があります。日本の若者たちが想像したポップカルチャーのことです。そのクール・ジャパンについて,オタク論,アニメ論など海外にまで知られた作家,評論家,民俗学研究家の東浩紀(哲学者,批評家,小説家),宮台真司(首都大学東京教授),毛利嘉孝(東京芸大准教授),大塚英志(神戸芸術工科大学),村上隆(作家),黒沢清(映画監督)のほか,欧米,アジアからもメディア論,アジア研究者,日本学研究者など日本のオタク,アニメなどの学者4人が参加。 ●パネリストの舌戦に会場も「沸騰」する もともとクール・ジャパンは政府が海外向けに造った言葉で,当のクリエータも迷惑がっているそうです。このクールという言葉の意味から各パネリストの発言がありました。後半の討論では,舌戦となり会場を大いに沸かせました。特に東浩紀と天敵・毛利嘉孝氏の論争は,時間を大幅に延長されるほど会場も「沸騰」させたのです。多分,活字になって発表されると思います。詳しくはその発表を待って,再度読み直すつもりです。 |
3月5日(金) |
●32軒の空き家が,即埋まる秘訣 先日,地域遺産フォーラム2010が開かれ,八女市(福岡県)からの報告で,重要伝統的建造物群保存地区でも空き家が問題になっているそうですが,ところが32軒の空き家があっというまに埋まったそうです。 京都でもそうですが,いま町家ブームが八女でも起こっているそうです。それは福岡という大都市がそばにあるからでしょうか。空き家を埋める場合,大家さんも行政もどんな人が来て,どういう店を出すのかを心配します。 ●NPO法人が行政とオーナーの間に入って入居希望者の面接 そこで,「八女ふるさと塾」が行政と大家さんの間に入って,入居希望者に面接を行ない,住民票を移したり,店舗の外装,職種の制限などいろいろ細かく話すそうです。それでも住みたい人が続出して,いまは「空き家待ち」状況だそうです。このことで町並を守りたい行政側と,安心できる人に住んでほしいオーナー側も納得して,空き家が埋まるそうです。やはりあいだにNPO法人などが入ることで,スムースにいくのでしょう。 |
3月4日(木) |
●旧安田家長女,次女の雛飾り 戦前の東京の名家の雛飾りがそっくりそのまま残されています。安田家長女と次女の,お内裏さまが二組,7段の上に並んでいるのです。 雛飾りの作家は,永徳斎の店で,作者は3代目。名工の作品だけに大勢の人たちが見学にやってきました。 |
3月3日(火) |
●実におもしろい北方謙三の『水滸伝』 いま北方謙三の『水滸伝』を読んでいます。最初の1巻を読むのに2ヶ月くらい要しました。次の2巻は1ヶ月,あとは一気に読み出し8巻目まであっという間に読み終えました。とにかくおもしろいのです。全19巻を読み終えるのに,それほど時間はかからないと思います。『三国志』のときもそうですが,読み始めるのに,「エイッ!」と気合いを入れるのですが,最初の1〜2巻はどうしても時間がかかるのです。 しかし読むにつれて,実におもしろいのです。劇画調というべきか,首や腕が血しぶきで吹っ飛んだり,100人以上の英雄がそれぞれの戦いの作戦をねったりと,とにかくおもしろいのです。賄賂まみれの宋の国を相手に戦いを挑む姿は,劇画そのものです。やはりハードボイルド作家・北方謙三氏の訳し方がうまいのでしょう。とにかく一気に読み通します。 |
2月28日(日) |
●美術品・日本刀に若者が寄りつかない 戦国時代の刀剣36点,内1000年以上歴史のある刀剣が5点も展示された『名刀展』が五島美術館で開かれました。 講師の高山武士さんは,日本刀は機能が優れ,高い精神性と深い美を有しているといい,さらに@機能,A精神,B美の三要素を理解すべきですという。戦後,600万振りの日本刀が存在したそうですが,米軍の供出命令で300万振りががれきとなりましたが,まだ300万振りも残っていて,家庭で「守られている」そうです。 日本刀の分野に若い人が寄りつかないと高山さん嘆かれますが,「精神性が大事」などと言われると,面倒くさい趣味の分野だなあと思います。単純に日本刀の美しさにひかれても,理屈が先に立つと若い人は寄りつかないでしょう。 |
2月26日(金) |
●懐かしい暖房器具,火鉢展 こんな暖かい日なのに,文京ふるさと歴史館の『火鉢/暮らしのぬくもり展』に行ってきました。早い話がいろいろな火鉢が紹介されているのです。小さいころ火鉢を使っていた経験があるだけに懐かしい感じがしました。 火鉢自体は,奈良・平安時代から使われていたようで,古文書は典籍に記録が残っているようです。なかには嫁入り道具の一つに持参したという,飛騨高山の春慶塗の火鉢は,もう芸術品といえます。 会場には火鉢周辺の小道具や文豪が描いた火鉢なども紹介されていました。入館料がいまどき100円というのもありがたいですね。 |
2月24日(水) |
●中国でひそかに「一夫一妻多妾制」が復活しつつあるとか 中国にはかつて「一夫一妻多妾制」を容認する考えがありました。これは家の跡継ぎは男系によって成り立っているわけですが,男児が生まれない場合は,妾に生ませるということもありました。妻妾同居も珍しいことではありません。しかし戦,何度かの婚姻法の改正で無くなりました,が最近,また妾を持つ人が増えてきました。 驚きました。最近の成金たちは,地方に妾を持つことが多いとか。地方への赴任は,一般的に妻は,夫の親の面倒をみるために同行しません。つまり夫の単身赴任が多いのです。そこで単身赴任の夫は,地方の貧しい女性を妾にして身の回りの世話をさせるわけです。もちろん子どもが生まれると,必ず引き取って面倒をみなくてはいけないと決められていますが。経済的な格差の問題が意外な方面に波及しているという話です。 |
2月19日(金) |
●近鉄バファローズの大ファンだった藤田まことさん ドラマ『必殺シリーズ』主演の藤田まことさんが亡くなられました。本当に残念です。僕の好きな俳優の1人だったからです。あまり知られていませんが,プロ野球・近鉄バファローズの大ファンで,そのことを聞いてからうれしくなったものです。刑事ドラマ『はぐれ刑事純情派』シリーズで安浦刑事が有名ですが,もう一つ土曜ワイド『京都殺人案内』シリーズの音川刑事も好きな役でした。ご冥福をお祈りします。 |
2月15日(月) |
●国宝でもある正倉院の古文書,典籍の複製を作る理由 『正倉院文書を複製する』をテーマに歴史民族博物館の吉岡眞之教授が講演されました。吉岡さんは今年の3月に定年で退官されるのですが,正倉院文書の複製一筋の方です。30年近くかかってようやく半分の複製を終えて,残りも30年はかかるそうです。複製といってもいろいろありますが,紙質も巻物もヒモもすべて原本に似せるから大変な作業となるのです。 ●インクの色や質,紙質,巻物のヒモ,書体や癖などを見極める なぜ複製するのかといえば,古文書や典籍の中には,写本が結構あります。どの部分が加筆されたのか,わかるためにも必要なのです。インクの色や質,書体,文字の癖など,厳密に複製するとそれがわかってくるのです。もちろん明治時代から複製されており,一部東大などに保存されています。それらは精度の低いものでした。しかしいま国家事業として,何十年かかろうがきちんとした複製を作らなくてはいけないという講演内容でした。 ●「3重構造」となった写本の原本を見つける作業が困難 今回は具体的な古文書を引用しながら,どこが加筆されたかを説明されました。難しいのは,写本に加筆して,さらに写本を作ったと言う場合の原本はどの部分か,と言う判断だそうです。「3重構造」になっている写本が結構あるそうです。いずれにせよ気の遠くなるような作業ですが,後世に伝えるためにも続けてほしいものです。 |
2月14日(日) |
●郷土玩具はいまや「大人のおもちゃ」化 地元の大田郷土博物館で『郷土玩具の楽しみ方』の講演会が開かれました。講師は群馬県にある全国郷土玩具館館長の畑野栄三さん。面白かったのは,「玩具といいながら子どもが郷土玩具で遊んでいるのを見たことがない」と断言。まさしくその通りだと思いました。 続けて「郷土玩具はおとなのおもちゃなのです」とズバリ指摘されます。つまり大人が蒐集し,観光客が買い求めて飾るぐらいしか使い道がないわけです。「買う人がいなくなると,郷土玩具は自然消滅するわけです」と嘆く。 だから消えないうちに,今のうちに買っておいたほうがいいでしょう,というわけです。しごくもっともな話ですが,なにやら寂しい感じがしました。私も各地に行きますが,荷物にならない程度に買います。郷土玩具が風前の灯火とは……。 |
2月5日(金) |
●国宝が50点以上も展示! チンギス・ハーンというのはあまり知られていないそうです。そんな謎に包まれたチンギス・ハーンとモンゴル帝国を紹介する展覧会を見ました。この展覧会は,元もと(株)東映が全国を巡回している展覧会です。 それはともかく,朝青龍などいまモンゴルの話題は旬です。で,同じモンゴルでも,今回の展覧会の中身は中国の内モンゴル自治区のことです。展示内容は中国の国宝54点を含む150余点にのぼり,かなり迫力がありました。チラシ(写真)に使われたのは「鷹形金飾り」は戦国時代のもので国宝(中国国家第一級文物)でもあります。鷹の飾りが付いていて,頭に載せて輪は頭に巻くのです。 今回は動物関係の飾りが多かったようです。特に鹿が多く,モンゴル人にとって,牛や馬,羊と違って,鹿は美しいものとして受け止められています。いずれにせよ,モンゴルの話題はいまが旬なのです。 |
1月29日(金) |
●『梶川日記』では刃傷は松之大廊下ではなく「白書院付近」!? 赤穂事件は,その後忠臣蔵と称して日本中を湧かせましたし,いまなお人気を誇っています。先般,江戸東京博物館で『赤穂事件の背景』を原史彦さん(徳川美術館学芸員)聴きました。そのなかで,いくつかの疑問が提示されましたが,そのなかで松の廊下での刃傷騒ぎは,「ほんとうに松の廊下だったのか」といわれました。驚きました。原さんは,浅野内匠頭を後ろから止めたとされる,御留守居番・梶川与惣兵衛の『梶川日記』を分析。この日記は刃傷日の出来事を詳細に書き留めており,資料としてはかなり信頼性の高いものだそうです。 ●当日の吉良,浅野のほか高家衆,坊主の動きを詳細に検証 当日(元禄14年3月14日)の高家衆や坊主などの見聞も詳細に記入しており,そのどこをみても松之大廊下は出てこないのです。原さんは見取り図と比較しながら,吉良,浅野両人の動きを検証すると,両人がぶつかったのは「白書院付近」ではないかと推量されています。その後,医者衆詰所までの動きなども検証しています。それにしてもまだまだわからないことがあるものです。 ●忠臣蔵の盛り上がりは,刃傷を止めた梶川氏のおかげ! いずれにせよ,梶川与惣兵衛が浅野を後ろから止めたからこそ,「忠臣蔵」ができあがったわけです。梶川が浅野の動きを止めないで,吉良氏を殺していたら単なる刃傷沙汰で,今日の盛り上がりはなかったのも事実です。つまり忠臣蔵の盛り上がりは梶川氏のおかげだといえるのです。歴史とは皮肉なものです。 |
1月27日(水) | |
●伝建地区選定は住民の賛成率80%以上のハードル 岩国市(山口県)では,重要伝統的建造物群保存地区の選定を目指して準備を始めました。まず地域住民の意識調査を行ない,賛成が80%以上ならすぐに文化庁に対して申請を出すそうです。 全国各地に,重要伝統的建造物群保存地区になってもおかしくない町並がたくさんありますが,結局住民の80%以上賛成というハードルが,選定を阻んでいるのです。もし岩国市で80%の賛成が得られると,今年中に市議会に条例を提出するそうだ。 |
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▲町家が並ぶ錦見七町の一部 | ▲錦帯橋をわたると武家屋敷 |
1月24日(日) |
●江戸博でもついに『龍馬伝』展を開催 NHKの大河ドラマ『龍馬伝』が大ヒットしています。やはり主演の福山雅治の人気に負うところが大きいのでしょうか。江戸東京博物館でも『篤姫』展の人気にあやかって,NHKとタイアップ。 特に,4月27〜29日の3日間,坂本龍馬像オリジナルガラス板写真が特別に公開されます。本物の写真が見ることができるのです。他の日は複製を展示するとか。また重要文化財の坂本龍馬書簡。この書簡には,あの有名な一文「日本を今一度せんたくいたし申候」が書かれています。また血痕のついた近江屋旧蔵にある書画貼交屏風など見どころは多いようです。 4月27日〜6月6日とゴールデンウイークから始まります。 |
1月18日(月) |
●ユーモアたっぷりに「私と漆」を話された瀬戸内寂聴さん 先日,作家の瀬戸内寂聴さんの講演を聴く機会を得ました。10年ほど前,岩手県浄法寺町(現二戸市)の天台寺へ行ったことがありました。この日は法話の日ではなかったので境内はガラーンとしていましたが,ちょっとした屋台は出ていたのを覚えています。 瀬戸内さんのこの日のテーマは「漆と私」です。仏壇屋に生まれたこと,父親の漆に関する話しを実におもしろく話されます。浄法寺町は漆の生産ではかなり名の知れたところだそうで,金閣寺なども使っているそうです。最後に瀬戸内さんの「死生観」を,これまたユーモアたっぷりに話されます。かなり講演会のテクをご存じだと思いました。なんとなく記憶に残るような講演会でもありました。 |
1月2日(土) |
●テレビの正月番組のつまらなさに飽き飽きします 10年ぶりになるでしょうか,正月を自宅で過ごすのは。静かな正月でした。それにしてもTVの正月番組は実につまらない。どこを見ても同じような顔ぶれの芸人たちがドタバタしているのです。こんなときの箱根駅伝は,やはり感動します。日本の男子マラソンの凋落の原因の一つに,箱根駅伝のドタバタぶりにあると思っていてもです。あとは見ごたえのあるドラマがあるといいのですが…。 |
●2009年(平成21年) |
12月28日(月) |
●大掃除は洗剤を使い分け…… 大掃除で使う各種洗剤はいっぱいあります。今年最後の大掃除も,洗剤を使い分けながら敢行(!?)。しかしめんどうくさいのも事実。「網戸専用」でガラスをふいても問題ないことに気がつきました……。 |
12月27日(日) |
●戦争を知らない世代が作った元禄文化 5代将軍徳川綱吉といえば,「生類憐れみの令」で「犬公方」と呼ばれ,とんでもない将軍だった,というふうに思われています。しかし,人を含む生き物すべてを大事にしよう,という現代にでも通用する思想ではないかと思います。この綱吉,2009年で没後300年にあたるのです。 そして元禄文化の一面と綱吉の治世など,総合的に展示解説した展覧会に行ってきました。平和な時代が続くと,戦争(戦国時代)を知らない世代が主流を占めます。まさにその時代に花開いた文化がおもしろいのです。価値観が少しずつ変わっていくのです。綱吉だけではなく,元禄文化もわかるので,必見の価値あり。 |
12月26日(土) |
●冬の小樽は観光客が激減 小樽は観光客の激減で,観光業界がたいへんな苦境に立っているそうです。小樽グランドホテルの閉店には驚きました。いろいろなところで話しを聞きましたが,いい話は聞けません。夜の町,花園界隈を歩くと,飲食店の閉店をしめす「貸店舗」の張り紙が痛々しいです。ただ中国人団体客が目に付くのは,かすかな望みかもしれません。 |
12月23日(水) |
●ジャーナリストの日銀副総裁就任記 ジャーナリスト(時事通信社)出身で,元日銀副総裁だった藤原作弥さんの話しを聞く機会を得ました。日銀の歴史,特に戦前と戦後の違い,政府・大蔵省から圧力などもおもしろかったですが,何より「裏話」がいちばんおもしろいのです。 総理大臣から「おとしまえをつけろ」 官邸から日銀の人事のことで電話がある,ということでした。そこで,あれこれと総裁はだれがいいとか,副総裁はだれとか思い巡らせていたそうです。あわよくば日銀人事のスクープで取れるかも知れないとまで考えたとか。 ところが,なんと自分に副総裁に就任してほしいという内容でした。即座に断ったが熱心に要請してくる。そして3日目に時の総理大臣,橋本龍太郎氏から「キミは委員会で言いたい放題だそうだが,このあたりで落とし前をつけてほしい」と半ば脅迫。そこで即座に「ハイ」ということで副総裁就任を承諾したそうです。 「フクソウ」を「服装」に勘違いしてスーツ,カバンを新調 日銀では副総裁を「フクソウ」と呼ぶそうです。藤原さんは「服装」と勘違いしたため,いままでラフな格好をからスーツ,革製のカバンを新調。就任2ヶ月目のことです。また陰で「エイリアン」や「パンダ」,「ひげ男」などと呼ばれていたことに気がついたのはズーッとあとのことでした。日銀マンから見ると,場違いな感じを受けたのでしょうか。とにかく5年間,自分なりにがんばったとか。 |
12月22日(火) |
●敦煌学の研究者・樊錦詩さんが来日公演が早大で開催 中国に敦煌学という学問があります。現在735の石窟があるのですが,そこには古代のあらゆる文献が残されていたのです。敦煌というと,莫高窟が有名ですが,とかく多くの仏像にばかり目がいきがちです。しかし文献を解読すると,医学から文学,印刷,天文学,経済,税金,文化など古代の制度や学問がぎっしり詰まっているのです。 今回,敦煌研究学院院長・樊錦詩(ハンキンシ)さんが来日,早稲田大学文学研究科大学院でフォーラムが開催されました。樊さんは,「ここまで保存状態が良かったのは乾燥した土地,紙の素材もよかったから」と言われます。敦煌にはまだ行ったことがないのですが,ぜひ行ってみようという気になりました。 |
12月20日(日) |
●歴博の意欲的な「現代」展示室が来春開く 戦後っていつまでだと思いますか。研究者のあいだでも,意見が分かれています。1950年代半ばで終わったという人たちは,高度経済成長の端緒が目安だと経済的な面を強調します。しかし,1990年代始めまで続いたという人たちは,主に政治面からの主張で,東西冷戦時代がソビエトの崩壊で戦後が終わったと。 このフォーラムは国立歴史民俗博物館の新展示室「現代」オープン(2010年3月)に向けて開催されたものです。 「現代」の歴史は,学校でも詳しく教えていないだけに,デリケートな部分もあって,実に意欲的な展示といえます。 展示内容は,大きなテーマは「戦後日本の大衆文化」で,農村の都市化,公害,消費生活,生活変化からさらに細分化され,映画,漫画,テレビ,歌,炭坑,米軍基地とアメリカ文化などが展示されるとか。ただ天皇に関することはないようです。 |
12月15日(火) |
●「新型インフルエンザなんかに負けてたまるか!」 新型インフルエンザがまだ流行っていますが,全く気にしていません。予防策として,手洗いを徹底しています。町に出ても,駅でもトイレがあれば手を洗うようにしています。石けん水があればいいのですが,なくても流水だけでも効果はあると信じています。 もうひとつ,今年で4年連続,通常のインフルエンザの予防接種を受けています。新型とは全く関係無いと思いますが,少しは影響があるのではないかと思っています。「新型インフルエンザなんかに負けてたまるか!」というところです。 |
12月13日(日) |
●赤穂浅野家の江戸上屋敷絵図の発見 赤穂事件で改易になった赤穂浅野家には,分家筋に旗本の浅野家がありました。播州赤穂の若浅野に陣屋を構え,3000石を拝領していました。この若浅野家の縁戚から膨大な量の,とんでもない古文書が出てきたのです。この発見の経緯はドラマチックで,わずか1日の差で消えてしまうところだったのです。 今回のお宝のなかで,赤穂浅野家江戸上屋敷に絵図が目玉です。いわゆる鉄砲州上屋敷のことです。鉄砲州はいまの中央区明石町にある聖路加国際病院にあたります。ほかにビックリするようなものも出てきました。これらの資料は龍野歴史文化資料館(兵庫県)に保存されることになっています。 |
12月12日(土) |
●年末の恒例の大掃除が始まりました そこで「エイ!」と気合いを入れて掃除を始めました。トイレやキッチン,フローリング関係など時間がかかりましたが,掃除の終えたあとは爽快です。まだベランダや玄関などが残っています。 |
12月11日(金) |
●国宝,重文クラスの典籍がズラリと展示 ここしばらく東京では冷泉家の国宝級の典籍や古文書を展示したり,各所で講演会などが開かれていて,ちょっとしたブームになっています。典籍は放っておくと劣化がすすみとんでもないことになります。しかし典籍の役割は大きく,歴史を正確に知る上に,大きな存在でもあります。 五島美術館(東京都世田谷区)で開かれた展覧会でも,国宝,重要文化財級の典籍数十点がずらりと展示されました。特に中世,近世のものはすばらしく,いつもは空いている館内も,この展覧会は大変な混みようでした。やはり一つのブームがきているのでしょうか。 |
12月10日(木) |
●いけばなを歴史的に捉えた展覧会 生け花を歴史的に捉えると実におもしろいです。当初は立花(りっか)と呼ばれており,京都の公家たちのたしなみでもありました。ところが室町時代から,公家だけではく武家のたしなみへと移ります。江戸時代に入ると,一般庶民にも流行だし一気に広がります。 そして江戸時代中期から後期にかけて男のたしなみから女子のたしなみへと移っていきます。同時に生け花に関する出版物も相次いで発刊されるようになるのです。 このように女性が,本格的に生け花を楽しむようになったのは,近世になってからです。またけんざんは明治になってから使われるようになったとか。 |
12月9日(水) |
●姜尚中東大教授の公開セミナー会場は超満員 いま明治学院大学で「知の現場から」という公開セミナーが10週連続,各界から著名人を招いて公開セミナーが開かれています。先日,姜尚中東大教授のときは,500名収容の720号教室が超満員にふくれあがりました。改めて姜氏の人気の高さを見せつけられた思いです。 テーマは歴史認識ですが,話しは韓国の新幹線の話しから,日韓海底トンネル,さらに北朝鮮について,日本の保守,出身地の熊本県がかかえる3つの問題など,話しはどんどん飛んでいきます。 会場を見回しますと,女性の姿が圧倒的に多いのです。やはり端正な顔立ちと,決して声を荒げることなく,自分の考えを話される姿にみとれるのか…。それにしても「知」の深さを知る思いでした。 |
12月8日(火) |
●アメリカの無声映画『チトー』(早川雪州主演)を見ました 日本人初の国際スター早川雪州主演の『チトー』(1915年)を見ました。もちろん無声映画です。弁士は澤登翠さんです。この歴史講座は「弁士が語る無声映画の世界」というテーマで東工大の世界文明センターで行われたのです。 『チトー』は主人公の雪州が人妻の肌に焼き印を押すという残酷な話しですが,その冷酷ぶりと美貌が受け,大スターになった記念すべき作品なのです。しかし在米邦人から批判が出て国辱俳優というレッテルを貼られてしまい,日本では未公開となりました。 第一次世界大戦後,リバイバル上映されましたが,そのときはビルマ人で主人公の名前も変えられました。 弁士・澤登翠さんの巧みな話芸に魅了されました 今回の上映では,字幕はリバイバル版のままですが,弁士の澤登翠さんは,オリジナル版の名前で語ったのです。途中で映像が止まったりしたハプニングがありましたが,澤登さんは実に巧みな話芸でこなさました。澤登さんは,活弁を現代のエンターテイメントとして捉えて活動されており,文化庁芸術祭優秀賞など数多く受賞されています。 無声映画をきちんと見たのは始めてで,とても新鮮な感じを受けました。しかも早川雪州主演の作品も始めてでした。また無声映画に関する解説も実に楽しく,無声映画を見直しました。 |
12月7日(月) |
●ついに手巻きのタコライスが登場 沖縄県の名物にタコライスがあります。県内では給食にも出るなど一般的です。ご飯の上にタコミートとサルサの辛みをレタス,トマト,チーズで緩和したしたものをのせて食べるのですが,いわゆるタコは入っていません。 ところが最近では,タコ入りライスとかタコ丼などが登場しており,もうぐちゃぐちゃでした。そしてついに,というべきかこともあろうに,「タコライス手巻き」が登場しました。場所は那覇空港ターミナル内の回転寿司『海来』で一皿320円です。 味はチーズ,トマト,レタス,ややタバスコの味と酢飯との相性がいいのです。だれが最初に考えたのかわかりませんが,この店「たこ焼き手巻き」がメニューにあるところを見ると,何でもありなんでしょう。爆笑メニューでした。 |
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